ミスの要因分析のベクトルは個人に向きやすい

組織の中で、ミスの要因分析のベクトルを個人に向けている間は事業は改善に向かわない。

その場合、ミスの要因を排除することは、すなわち個人を排除することであるが、本質的にはミスの要因は個人には無いことから、現状の組織体制、作業工程等を適切に変更しない限り、またミスは発生し、また個人は排除される。

これを繰り返しながら「なぜ当社は良くならないのか」と経営者は悩むとともに、そのうちの多くの経営者は「従業員が無能だから」と結論付けてしまう。

ミスの要因は個人には依らない

自社の欠点を認めることは怖いことではあるが、本質的な改善を考えるのであれば、従業員の声に耳を傾け、組織や方法(工程等)の適切な変更にトライするべきと考える(^^)

ドメインの設定

ドメインとは「事業領域」のことです。

ドメインを決定する、とは、自社の経営資源と強みを理解して、将来のあるべき姿に向けて、どのような「事業領域」で戦っていくかを考え、検討することです。

考え方や、言葉の意味は理解しても、それを唱えているだけでは事業は改善しません。

また、仮に経営者に「(事業)ドメインを決めましょう」と言っても、マンガのように頭の周りにクエスチョンマークがたくさん浮かぶか、若しくは、「そんな当たり前なことを言われても」と思うだけです。

事業改善に必要な知識を吸収したら、いかに変換して実際の事業改善の現場に落とし込んでいくかが、コンサルタント、中小企業支援の難しい部分かと思います。

中小企業支援の目的を明確にしなければならない

中小企業をサポートする際に経営者や従業員から「何をしてくれるの?」と問われることがあります。問われずとも、そう思っている人が多いことは事実です。

この時に、明確な何かを伝えられればいいのですが、いまのところその言葉を持ち合わせていません。

「皆さんがより良く、より楽しく過ごせる職場環境の構築」「経営者が資金繰り等に悩み、経営に注力できない状況の打開」「事業が安定的、継続的に維持成長していくためのサポート」と言うこともできますが、聞いている人からすればピンとこないのも当然のことでしょう。

なので、中小企業支援と言っても非常に部分的な支援で終わってしまうことが多いのだと思います。そして部分的な支援の方が中小企業側からは有益に感じることになるのでしょう。

事業の本質的な部分の健全化、改善が為されることなく、手段やテクニックを習得しても、中長期的な事業改善には繋がらないものです。

現状認識を深めて頂き、組織の在り方、様々な管理の在り方をもう一度感じてほしいですし、事業基盤の構築が為されたうえで、様々な手法を用いての事業の維持拡大活動に着手してほしいと感じています。

年度末なので、金融機関も何やらせわしい雰囲気になってきた今日この頃です(^^)

マーケティングマイオピア 

業績が低迷し、苦しむ中小企業の経営者は今月の資金繰り、今週の資金繰り、明日の資金繰り・・・など、近視眼的な思考に陥っていることがほとんどです。

マーケティングにおいて「近視眼」とは「マイオピア(myopia)」というそうです。

マーケティングマイオピアとは、中小企業の組織全体が顧客のニーズ(真意)を把握せずに一方的な思い込みで戦略を立てることで生じるデメリットのことだそうです。

中小企業経営者の経営にも当てはまることです。資金繰りが厳しきなり、明日の売上を気にするようになると、そもそも何のための事業なのかを見失い、中長期的な視点を持てなくなります。

何のために事業があるのか、その想い、信念をベースとして、消費者をはじめとして社会に如何に貢献していくか、という部分無くして、本来の売上は上がらないものです。軸を外れた事業は、徐々に低迷し、やがて衰退してしまいます。

新しい展開へ

ウィステリアは共同代表である藤村と運営しています。藤村は数年務めてきた「よろず支援拠点」のコーディネーター業務を今年度で終える判断を下しました。

ある部分「情報収集」という面では多少減少していくとは思いますが、外部機関に属さないなかでのウィステリアの新たな展開が始まります(^^)

富士山

鮮やかな富士山に負けないように新年度に向かっていきたいと思います(^^)

事業承継の基本は後継者への承継

事業承継は後継者への承継と思っています。何やら変な話ですが・・・そりゃそうだということですが、サポートする側はそうでもないことが多いです。

廃業や、M&Aありきで話が進むことも少なくありません。

ウィステリアとしては、まず事業継続に向けた事業改善、財務改善を行なっていきたい。それは結果的に廃業やM&Aを選択する場合にも「事業価値の向上」という結果に繋がることになります。

多くの企業で経営者の親族や、社内の中に後継者となる人材は不足している状況にあることも事実ではありますが、まずは事業の継続を考えていきたいものです。

 

わからせたい、と言うよりはわかってもらいたい

コンサルタントは「モノを作って、その価値を理解して頂く」という業務ではなく、また(私の偏見ですが)、とりあえず何か伝えては金をもらっていく、というあまりよろしくないイメージを浮かべてしまいがちなので

経営者に「暫く時間をあけましょう」などと突然言われてしまいがちです。

100%以上、企業のために動き、今後の中期的に向かっていく企業の方向性も見えており、そのためにいますべきことも見えているのですが、年配の経営者ほど、理解できないしがらみと言いますか、「かたち」を気にして、特段の理由もなく一旦時間をあけたがります(^^)

移動途中の土筆

それは企業のためではないのですが、こちらが伝えれば伝えるほど、企業のためではなく、コンサルタントのためのように聞こえてしまいます。

難しい話です(^^)

良くなるのも企業、悪くなるのも企業、全ては企業のためなんですけどね。

創業支援と、補助金申請

世の中には、自分の考えについて一切のアドバイスを受けつけずに、変更することなど一切認めないコンサルタント(税理士、診断士など)が数多く存在します。

それは、ある部分正しいとは思います。それを信念と勘違いする人もいるとは思いますので・・・(^^)

でも、中小企業の経営者はいわば「プロ」です。コンサルティングの中で、対象となる中小企業の経営者が納得できないままで、机上の理論を展開しても、コンサルタントの自己満足にすぎないのは明確ですよね(^-^)

移動中に見つけた菜の花

経営者との意思疎通、コミュニケーションの中で、対象企業を改善の道筋に乗せるか、そして組織的にも、業績としても改善させるかがコンサルティングですから(^^)

自分の思うとおりに動かして、結果が出て、満足しているのであれば、それは経営の一端でしかないことに気付かなければなりません。

自身の意見を控えましょうということではなく、コンサルティング活動の中で、様々な意見を受け止めながら、最適な解を導き出していくことが肝心であると思うのです(^^)

経営者の想い

事業改善の必要性があると判断した金融機関よりご紹介を頂いて、ほぼ初めての訪問でした。

経営者は、簡単に「辞めます」と面前で言われました。まだまだ道はあるし、「法的整理」に直接行かなくとも選択肢は幾つもあるのですが・・・経営者は「やり尽くした」と感じています。

それは「やり尽くした」のではなく、単に私的な資金を経営法人に投下しただけの話です。

現況、改善の可能性、私的整理、方向性の選択肢について、様々説明をしましたが、「辞めます」と言った後で、経営者の耳にはまさに届かない状況でした。

中小企業診断士、コンサルの中には「早めに事業継続を諦めたほうが良い」という人たちもいますが、全てに当てはまりはしませんし、何より事業継続の可能性を模索し、万策尽きたのであれば、あらためて判断するまえに「これは辞めるしかないな」と感じるものです。

これから、想像を超える苦しみ、悔恨が待っているでしょう。

もう一度考えてもらいたい。

フレーミング効果と極端の回避性

実質的には同じ意味を表す選択肢であっても、その表現方法などが異なるだけで人の判断や選択が変わる現象を行動経済学で「フレーミング効果」と呼ぶそうです。

フレーミング効果の、わかりやすい事例として「極端の回避性」と言うのがあります。

よく言われるのは、お弁当の話

例えば、600円と1000円のお弁当があると600円のほうが売れるが、ひとつ商品を増やして、600円と1000円と1500円のお弁当がると1000円のお弁当が最も売れる

人は違いがよくわからないと真ん中を選ぶ=「極端の回避性」というそうです。

クイズなので、回答が3択の場合真ん中に答えを置きやすいと聞いたことがありますが、それも同じような心理なのかもしれませんね(^-^)

この、フレーミング効果、極端の回避性はモノを売るときのテクニック?のひとつであり、マーケティングのひとつであるようです(^^)