経営力向上計画とは、平成28年7月1日に施行された中小企業等経営強化法に基づき中小企業・小規模事業者・中堅企業等が策定する計画と定義されています。
「中小企業等経営強化法」の概要http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/160610kyoka1.pdf
国が業種別の指針を作成し、、商工会議所、商工会、金融機関、士業等の認定支援機関が中小企業・小規模事業者等による経営力向上計画の作成・実 施を支援するということがまずひとつの取組みとなっています。
平易に申しあげますと、まず経営力向上計画を認定支援機関とともに作成すると、その計画内に設備導入が記されていると、その設備についての固定資産税が3年間半額に減税されます(工業会の証明書など書類集めに多少時間が掛かりますが・・・)。また、今後、国が募集する補助金の申請などについては経営力向上計画が策定されていることで加点されることもあります。
例えば今回の「平成27年度補正予算「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の2次公募」では経営力向上計画の有無が採択に関わる加点材料となりました。
http://www.meti.go.jp/committee/chuki/kihon_mondai/pdf/005_05_00.pdf
経営力向上計画の作成そのものは、そんなに難しいものではありません。現に中小企業庁のチラシにも「申請書はたったの2枚」と書いてあります。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/160617kyokachirashi.pdf
ただ、個人的には、経営改善計画策定支援(通称405)とは違い、経営力向上計画の作成について、少し推進力が強まらないと感じている部分があります。それは認定支援機関にフィーが発生しないということです。
つまり金融機関や商工会議所、商工会などの認定支援機関ではなく、士業の方々、税理士事務所、コンサル法人などの認定支援機関は経営力向上計画の作成支援を行なうことで、フィーを得られる仕組みが無いのです。これは法施行に伴う事前の説明会の際にも質問されている認定支援機関がありました。
ということは、金融機関や商工会議所、商工会などの認定支援機関が積極的に中小企業に勧めるという感じになるのかなぁ、と考えますが、これがまた金融機関には作成支援をすることのインセンティブがあまりないんじゃないかなぁ、と感じています。
これ以上、言うとちょっと切ない感じにもなりますが・・・中小企業の支援を認定支援機関に推進させるには、認定支援機関に一定の収入が入るような仕組みを整えるか、或いはそれに代わる何かを与えるようにしないとなかなか浸透しにくいのかなぁとも感じます。しかし、一方でフィーが発生するのであれば、その仕組みを丁寧に作らなければ、初期の405の時のようにフィー目当てで積極推進を行なう認定支援機関が急増することも事実とは思います。
独立してコンサルとして仕事をしていると、認定支援機関による中小企業の適切な支援、サポートは、本当に必要だなぁと感じています。極力様々な切り口で中小企業の支援ができればと考える中で、ある商工会の相談員として、相談業務の一環として経営力向上計画を数先作成支援しました。
中小企業の方々には、是非商工会議所、商工会などに相談に行き、経営力向上計画の作成にチャレンジしてほしいと思います。金融機関の方々には、経営力向上計画の作成支援を是非推進して頂きたいと願います。
なお、経営力向上計画作成セミナーというかたちで、作成のお手伝いをするということも、ひとつの推進策ではあると思います。