北九州市のテーマパークがスケートリンクの氷の中に約5000匹の魚を埋め込んで多くの批判を浴びたというニュースがありましたよね。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161127/k10010786201000.html
「ひどい」と思うだけではなく、創業者や中小企業の方々には、よく理解してほしいニュースだと感じています。「顧客のニーズ」「市場環境」などを踏まえての「新商品」「新事業」の提供、という時には、中小企業も、このテーマパークのようなズレが生じているケースは少なくありません。
テーマパークも「皆さんに批判を浴びて、知名度を上げよう!」なんて思うはずがないですよね。
きっと、「スケートリンクの氷の下に泳いでいるような魚がいたら、まるで海の上を滑っているような感覚になるんじゃないか」「水族館に来ているような気持になれるんじゃないか」「まだどこもやっていない」「子供たちなど、スケートをしたことが無い人たちにも喜んでもらえるんじゃないだろうか」「漁港も近いし、魚と触れ合う感覚で」などなど
「来場してくれる人たちが喜んでくれる」という観点で企画は進んでいったと思いますが、企画検討を始める最初のほうの段階で、「何かを間違えていた」のか、「何かが足りなかった」がゆえに、その小さなズレが結果として大きな批判に繋がってしまったと思われます。テーマパークの人は、こんな大きな批判になるとは思ってもいなかったことでしょう。
中小企業は、新事業、新商品の提供を考えるときに、「プロダクト・アウト」の発想に依ってしまいがちです。こんなに楽しいのだから、こんなに良い商品だから、一日に何人のお客様に売れてとか、月に何社に販売できてとか・・・
それによって、世の中の批判を買うことは少ないと思いますが、その分全く売れないという結果を思い知らされることもあるでしょう。そのような結果にならないためにも、内部環境も、外部環境も、ひとつずつ積み上げながら進めてほしいと思います。
準備を進める初めのほうの段階で、自分を如何に理解し、周囲の人の意見を聞きながら、如何に客観視できるか。進むべき方向性に大きなズレを生じさせない方法のひとつだと思います。