「東京には空がない」中学校の時でしょうか?
高村光太郎という彫刻家が、奥さんのことを綴った「智恵子抄」という本の中に「東京には空がない」、と書かれている。次回の試験には出るから、みたいに言われ、ちょっとした衝撃を受け、今でもずっとその時の衝撃を覚えています。
「東京には空がない」空はあるじゃないか、なぜそう感じたのか、空気が汚れている、環境汚染なのか、故郷の空が懐かしいということなのだろうか・・・以下は、この年になって初めて見た「東京には空がない」という言葉が出てくる一文です。
智恵子は東京に空が無いという
「あどけない話」
智恵子は東京に空が無いという
ほんとの空が見たいという
私は驚いて空を見る
桜若葉の間に在るのは
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ
智恵子は遠くを見ながら言う
阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとの空だという
あどけない空の話である。
以上ですが、高村光太郎は「あどけない空の話」と言っている。東京には空が無い。空とは何を指すのか・・・。
自分なりに「東京には空が無い」と感じた一日でした。
桑田佳祐さんのアルバムI LOVE YOUーnow&FOREVERーに収録されている日本の文学を歌いたい 中にでていました本当興味深い一説です