金融調整で勉強、感動!

銀行に勤めているときには先輩後輩に拘わらず「この人はすごいなぁ~ 」「こんな銀行員になりたいなぁ~」と思うこともありました。どんな時にそう思うか、いまあらためて考えると「銀行の利益のみを優先しない」時に感じることが多かったですね。「取引先の利益も考える」ということは簡単なことのようで実は難しいことです。

午前中に、とある二つの金融機関の方にお会いして、「金融調整」の話をする機会がありました。「金融調整」って一般の方々には利き慣れない言葉だと思います。簡単に言うと、「企業の状況に応じて金融機関に新規の借入や、いま既に借りている借入金の条件の変更を調整する」という感じです。

無論、大抵の場合は、業況に問題のある企業さんについて「金融調整」が行なわれるわけですから、通常は取引金融機関は各々に少しでも「自分の利益になる」ように、各々の主張が飛び交うわけです。ですので、企業の状況をご理解頂き、それぞれが同様の痛みを受けていきましょう、というところが落としどころになります。

中小企業支援のなかでの「金融調整」の場合、本来は「中小企業支援」というステージで如何に、その企業の事業継続性を維持するかに論点がいくべきだと思っていますが、多くはまるで破綻を予定している企業についての「債権者会議」と混同してしまい、各金融機関が「如何に回収するか」という話になっていきがちです。これは、一言でいうと「金融機関の性(さが)」と思われるので、金融機関の方々を責めることではありません。仕方がないことです。

ところが、今日お会いした金融機関のお二人は、まるで違いました。まず優先すべきは「企業の事業継続性の維持」でした。今後この企業が如何に事業を継続していくかを、まず考えてくれていました。とはいえ単に企業の要望をそのままに丸飲みにするわけではなく、金融機関としての立場を確保しつつ、「中小企業のために」「事業の安定的な継続」に向けたご意見を聞かせて頂きました。

細かなことが言えないため、非常に抽象的な言い回しになっていますが・・・、いやでも本当に勉強になりましたし、ちょっと感動すら覚えました。窮境に陥り、しかし事業改善を図り、前を向いて歯を食いしばっている中小企業の経営者の方々にとって、金融機関との円滑な関係は事業継続上必須の事柄です。

そんななか、金融機関に、これだけ支援して頂ける企業さんも、経営者の方も素晴らしいですが、対応してくださる金融機関のご担当の方々が、今日のお二人でよかった、としみじみ思いました。こういうケースが多くの企業、金融機関、コンサルタントなどの方々に知って頂けると、中小企業の経営改善のチャンスはもっと増えると感じています。

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