金融機関の企業支援、正直に言いまして限界があります。だから我々経営コンサルと呼ばれる人間の存在価値があるわけです。/金融機関の企業支援は、その金融機関によって温度差がかなりあります。また同じ金融機関にしても支店によって、もっと言いますと担当者によって温度差が激しいものです。しかしこれは仕方のないことです。/なぜならば、金融機関にとって「企業支援」そのものは目の前の利益を生まないからです。したがって中長期的な目線を持ち、且つ金融機関としての立ち位置が地域に根差している(=地域金融機関、地域密着型金融)金融機関でなければ、なかなか「企業支援」に取り組むことが難しいものなのです。/金融期間の支店の担当者が、企業の実態を見つめることなく、とりあえず融資を承認してほしい、そう願いながら本部に稟議申請をすると、金融機関の本部部署は大抵こんな言葉を発します。「ボランティアじゃないんだよ」と。/金融機関は企業に対して、どうしても「債権者の視点」を外すことはできません。/それでも。融資を受けたりしながら事業を安定的に成長させていくためには、金融機関と上手に付き合うことが大切となってきます。根本的な「企業支援」ということは期待できなくとも「金融支援」というかたちを通しての「企業支援」は金融機関にしかできないことです。/金融機関、支店、担当者などについて、取引先を見極める目と同じ視点で、円滑な取引をし、金融機関からの「企業支援」を上手に受けることも、中小企業にとって大切なことのひとつです。