条件変更の間に改善を進めなければならない

中小企業金融円滑化法は平成21年12月4日に施行されました。

時限立法として平成25年3月末に期限を迎えました。

金融庁は、「金融機関が引き続き円滑な資金供給や貸付条件の変更等に努めるべきということは、今後も何ら変わらない。」と表明し、金融機関もそのスタンスを維持しています。

平成31年2月28日「年度末等における中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について」

単に条件変更を行ない期限を伸ばす「延命措置」ではなく、「金融機関においては、より一層、金融仲介機能を発揮し、成長分野等への積極的な資金供給や経営改善・体質強化等の支援に取り組むことが重要です。」と当初より毎回掲げています。

さらに「金融機関は、円滑な資金供給にとどまらず、それぞれの借り手の経営課題に応じた適切な解決策を提案し、その実行を支援していくことが求められています。」と掲げ

そして「信用保証を含め、担保・保証や財務内容等の過去の実績に必要以上に依存することなく、今まで以上に、事業の内容及びその業界の状況等を踏まえた融資やコンサルティングを行い、企業や産業の成長を支援すること。」と掲げています。

金融機関、特に地域金融機関には上記のような中小企業支援を実践してほしいと願っています。ただ、地域金融機関の実務としては、近時の利益にならない中小企業支援は業務としては他の業務に対して劣後となりがちで、故にノルマや目標にもなりにくい業務です。

未だに多くの中小企業経営者は、条件変更により6か月から1年の猶予を得ることで一息ついてしまいます。「危機感を持ってほしい」ということではなく、単なる期限延ばしは互いを・・・というよりは中小企業の状況を悪化させているに過ぎないということを理解してほしい。

条件変更による猶予は、改善していくための手段であって、目的ではないということですね。